「松果体&メラトニン」の逸話

三番目の眼を頭頂もつトカゲがいます。ニュージーランドムカシトカゲ(トゥアタラ)というトカゲです。進化を歴史をたどれば、人間の脳の中央部にある松果体は、このトカゲの第三の眼と同じ源流です。

人間は哺乳類。トカゲは爬虫類。その両者は脊椎動物に分類され、五億年ほど前に出現しました。私達の松果体も数億年の生物の歴史を通じて創造されました。

五億年という歳月を経て、体の外側についていた、第三の眼を脳の奥にしまい込みました。新たな進化の役割のための変化です。松の実と似ている松果体はメラトニンを分泌します。メラトニンは更に深い生命の歴史があります。

20億年以上前の生命進化の初期、私達の細胞の祖先は、酸素をエネルギーに利用する生命システムを創造します。このシステムは地球環境に適合し、生命が豊かに繁栄する、美しい惑星を築く事に成功し、現代への繋がります。

しかし酸素を利用する事は危険が伴います。酸素を利用すれば、同時に酸化が生じ、生命維持を阻害します。多くの病気の原因が酸化です。我々の大きな悩みである、病気の大元は、20億年以上前の生命の酸素利用にさかのぼる事ができます。

メラトニンはこの酸化から生じる毒素を取り除く事ができます。進化の初期の段階でメラトニンを造る事ができたから、酸素を利用する事に成功できたとも考える事ができます。(01)

メラトニンがなければ我々の細胞が進化を始める事ができなかったとすれば、メラトニンは生命進化の恩人的な存在なのかもしれません。このメラトニンは毎晩、松果体から分泌され眠りを誘い、健康を維持する役割を担います。この松果体については、歴史上、いくつもの逸話があります。

十六世紀の哲学者デカルトは、この松果体が人の心と体をつなぐものと考え、「精神の座」と呼びました。脳の解剖図を見るとデカルトがこう呼ぶ訳が少し分かる感じがします。脳は右と左に分かれていますが、その間を繋ぐように、小さな松の実に似た松果体が存在します。

脳のつなぎ目なので、脳のへそのような印象です。睡眠、そして夢の世界へのガイドである松果体。時として、夢が自分の心を知る手がかりになるのですから、まさに「精神の座」なのかもしれません。

ヨガの修行で開くという伝説の七つのチャクラ、その最後がサハスラーラチャクラと呼ばれ、松果体と関連つけられているようです。このチャクラが開くと高次の宇宙情報が開示されるとの伝説。フランス哲学者のバタイユもまた、松果体で不可視の世界を観ると超文学的に表現しています。(02)

5億年前に生命進化の途上で登場した松果体と、20億年以上前から生命を守るために生まれたメラトニン。こうした想像を超えた時間に立脚すれば、ヨガの伝説的表現やバタイユの超文学的表現は、瞠目に値するスケールの大きな表現と言えるのではないでしょうか。

01:メラトニン研究の最近の進歩 P27
02:バタイユ「松毬の眼」

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